私の管理会社のイメージは、「黒子」です。
影の様に家主様に寄り添い、必要とあれば矢面に立って守るのが仕事です。
だからこそより深く家主様を理解しその期待に応えるべく常に努力しなければなりません。
私自身、今の管理会社が置かれている社会的立場に少し違和感があります。
本来は高度な専門性と法律知識を有し、交渉力やコミュニケーション能力を求められる仕事なんですが、業種として曖昧な部分や業務を取り決める法律が無い分逆に制約も多く思う様に仕事が出来ていない様に思います。
勿論、我々側にも問題があり、不動産業の亜流、ついで仕事、片手間で出来る仕事感があり、専門性を上げて行き、広く認知される努力を怠っている部分も有ると思います。
我々個々の技量や知識を上げ、コンサルタント業務が出来る位まで高めて行かなければならないと思います。
真の「プロパティマネジャー」を目指さなければなりません。
特に、新築マンションの企画の時に設計士さんや建築会社の意見を押し付けられるのではなく、家主様のご希望や管理のプロとして我々の意見が反映させる為に対等に渡り合える説得力を持つ知識が無ければなりません。
私がこの業界に入った当初は、「建てた建物に入居者を入れて管理させすればいいから、余計な口出しはするな」と言われ、悔しい思いをしました。それから自分自身努力し知識も経験も増やしていき、自分から進んで意見を出し、積極的に関わるようにしていきました。それが実績になり意見を取り入れていただくための武器にもなりました。
管理業務は「新しさの中に昔ながら」を大切にしなければと思います。
当然、AIやIT化、分業制等を重視した最近の手法にマッチングさせることは大切です。
しかしマンション管理は、アナログ的な人間関係の上に成り立っています。
家主様との人間関係は大切ですし、入居者様に対しても「大家(管理会社)と言えば親も同然」という言葉の通り親身に関わることも大切です。
「信無きところに心無し」「心無きところに信無し」という言葉を私は大切にしています。
人間関係は先ず相手を信じるか否かから始まると思います。
当然、最初から全面的に信じる事なんて出来ません。
しかしそれを乗り越えてこそ真の信頼関係が生まれると思います。
人間関係が良好で有れば、より良い管理ができます。
家主様と入居者様の双方の利益は相反関係にあるのは確かですが、双方の利益を同じ方向に向けることは出来ます。
具体的には、居心地の良い住まいの提供は、家主様・入居者様の利益相反ではなく利益共有の関係になります。
居心地の良い住まいを提供するには費用は掛かります。
でも長期間安定的に入居者様が住んで頂きましたら、家主様に多くの利益をもたらします。
入れ替わりが少なければ補修費用も掛かりませんし、満室を維持できれば効率よく家賃も入ってきます。
我々は双方の顧客満足度を考えなければならない部分があります。
ただ基本的には家主様の利益代弁者でなければなりませんが、反面入居者様のクレームや要望をスムーズに家主様にご理解いただいて、対応をすることを求められます。